2017年3月27日 (月)

雀隠れ

散歩をしていると、沈丁花の香があちこちから漂ってきます。
大沢川沿いの桜の様子を見に行くと、蕾が少しふくらんできました。

先週は富士宮からお見えになったNさんが,雪柳と杏の花を持ってきてくださったので、ギャラリーに飾っています。白とピンクがとても綺麗です。

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草が伸びて雀が隠れるほどの丈になる事を「雀隠れ」と呼びますが、将に今、わが家の花壇はそんな様子です。
嬉しいことに、数年間花を咲かせなかった椿が、今年はようやく土に馴染んだのか蕾を付けています。アネモネは色とりどりに咲き、クリスマスローズもどこに隠れていたのか、あちこちから顔を出してきました。

家の内も外も、花々でとても賑やかになりました。
「花は天からの贈りもの」、という乃里子さんの言葉を実感する季節になりました。

さて今日見ていただくのは、わが家の狭い花壇に数本植わる椿の中で、一番に咲いた「肥後椿」を描いた新作です。

       肥後椿

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2017年3月21日 (火)

利行の「少女」

長谷川利行の絵が好きだ、という話は前にもしましたが、一昨日NHKのEテレで再放送された番組「今がいとおし~鬼才 長谷川利行」を見て、昨年暮れのある出来事を思い出しました。

長谷川利行といえば、”放浪の画家”などと取り上げられ、今でこそ高い評価を得ていますが、彼が生きていた当時は世間から見向きもされない画家であったわけです。
絵は独学で、アトリエを持たず、ドヤ街に住み、描いた絵は金に換えて酒浸り、挙句、路上で倒れて49歳で野垂れ死ぬ、という将に絵に描いたような”破滅型”の画家でした。

その長谷川利行の絵を僕が知ったのは、昭和53年に刊行された洲之内徹の『気まぐれ美術館』からでした。
その本の口絵に載っていた『酒祭り・花島喜世子』を見て、僕は「ヘッタクソな絵だなぁ、どこがいいんだ?」と思ったものでしたが・・・「利行のタッチはひょろひょろしているようでひょろひょろでなく、へなへなのようでへなへなでなく、形はでたらめのようででたらめでなく、利行独特の澄んだリズムを持ち、妖しく美しいフォルムになっている。」・・・と尊敬する洲之内さんが紹介していたので、他の絵も見てみたくなり、古本屋を歩いて数冊の画集を手に入れました。

画集を捲って見るうちに、次第に僕の中で利行の作品に対する思いが変化してゆき、中でもそのなかにあった一枚の絵に強烈に魅かれたのです。
タイトルは『少女』。昭和10年に描かれた油彩です。

その後、この白と赤だけで描かれた絵は(利行の代表作というわけではないのでしょうが)、僕の中では心に残り続ける絵となったのです。

・・・と、ここで冒頭の話につながるわけですが・・・

昨年の暮れ、高崎でのこと・・・友人と待ち合わせていた時間に余裕があったので、バスに乗って「群馬県立近代美術館」まで行きました。それは本当に時間つぶしのつもりだったのですが・・・ふらりと入った館内に、なんと!利行の『少女』が飾られていたのです!思いもしなかった出来事に心から驚きました。
僕は感動して大きな声を出したらしく、奥から若い学芸員が現れ、二人でしばらく利行の絵について語りました。

今では、東京国立近代美術館をはじめ日本中の多くの美術館に利行の絵は所蔵されており、TV番組の「鑑定団」では一千五百万円の値がつき世間を驚かせましたが、この現実を天国の彼はどう捉えているのでしょうね。きっと照れながら酒瓶を傾けていることでしょう。

「彼は誰にも好かれた。いわば、人生の苦しみを超えた、気楽に付き合える神様のような存在だった・・・」利行の死後、友人の画家田中陽が回想したこの言葉の中に彼の本質があったような気がします。そうでなければこんな絵は描けませんよね。

      瑠璃色の花瓶

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2017年3月20日 (月)

二つの展覧会

県立美術館まで行ってきました。

目的は、県民ギャラリーで開かれている櫻井朱實さんの書展です。
書展なのですが、墨を用いたコンテンポラリーアートも展示されており、こうした作品も制作するのか!という驚きとともに、その感性に脱帽しました。

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予定には無かったけれど、ここまで来たのだから今開催中の『蜷川実花展』を見ていこう、と思い立って2階の会場にむかいました。
蜷川実花といえば若者達に強く支持されている写真家ですが、僕は”写真のみならず様々な表現活動をしているアーティスト”というくらいの認識で、今までその作品をまともに鑑賞したことはありませんでした。

話題ほどではないだろうと高を括っていたのですが、第一展示室に入ったとたん、壁に並んだ作品からの溢れんばかりの色彩と、圧倒的な自己表現に度肝を抜かれてしまいました。

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「桜」の部屋は、壁から床まで広がる桜模様の中に桜の作品を飾る、という展示の仕方をしており、その並々ならぬ”編集力”にも感心させられました。
「Portraits」の部屋に展示されていた芸能人たちの写真には、その人物の持つ深奥の個性を見事に引き出して表現していました。蜷川実花、恐るべし!

今日見た二つの展覧会とも、とても満足できるものでした。いい日でした。

        櫻

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2017年3月19日 (日)

春の声

今日は本当に良い陽気で、散歩の折もうっすらと汗ばむほどでした。

隣家の木蓮が見事に咲き、道端のタンポポも力強く花を広げ、先日求めてきた鉢植えのクレマチスも薄緑色の葉をそよがせて咲いています。

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こんな日は家でゴロゴロしていてもつまらないので、ちょっとどこかに出かけたくなりますね。

このところわが家にも展覧会の案内が頻繁に届きます。今週は、その中から興味の惹かれるものを選んで出かけようと楽しみにしています。
まずは『
真野東平写真展 E.Sセレクション』、そして県美の県民ギャラリーで開催中の『木組みの家具×櫻井朱實 書』。さらにフェルケール博物館でも『大正ロマンと女性の手仕事』、これも中々面白そうな企画です。
春はやはり心が浮き立ちますね。

       タンポポ

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       菜の花

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2017年3月17日 (金)

赤いスイートピー

 note春色の汽車に乗って 海へ連れて行ってよ
   煙草の匂いのシャツに そっと寄り添うから
    何故知り合った日から半年過ぎても あなたって手も握らない
     I will follow you ちょっぴり気が弱いけど  素敵な人だから
     心の岸辺に咲いた  赤いスイートピーnote

言わずと知れた聖子ちゃんの大ヒット曲『赤いスイートピー』ですが、この歌詞を書いたのは松本隆さんです。当たり前だけど、れっきとした”男”です。
よくこんな詩が書けるな~、といつも感心するのです。確か30代に書いたものだと思うのですが、それにしてもどうすればこうした若い女の子の気持ちを表現できるのか・・・やはり経験の差でしょうかねぇ・・・僕などには到底浮かびません。

さて、先日散歩の折に花屋さんで手に入れた赤いスイートピーが作品になりました。今日はそれをご覧下さい。

       赤いスイートピー

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2017年2月28日 (火)

3月開廊日のお知らせ

3月の開廊は以下のようになりますので、よろしくお願いします。

〈3月の開廊日〉

 3日(金)・ 4日(土)・ 5日(日) 

10日(金)・11日(土) 《12日(日)はお休みです》

17日(金)・18日(土)・19日(日)

24日(金)・25日(土)・26日(日)

31日(金)

       桃の花

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明日から三月・・・もうすぐ「桃の節句」です。
そういえば、七十二候の一つ「桃始笑(ももはじめてさく)」は啓蟄の次候なので、これも近いですね。
”咲く”ではなくて”笑く”と書く、、、昔は花が咲く事を「花笑み」といいましたが、そこからの表記なのでしょうか、とても素敵な表現です。


さて、今日の午前中、兒嶋画廊より、待っていた善三郎の画集が届きました。
一日中、飽かずページを繰っています。

      蕗の薹と椿

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2017年2月27日 (月)

丘の上APT

先日、汐留ミュージアムでマティスを見た後、中央線に乗って国分寺まで行ってきました。

以前は銀座1丁目にあった「兒嶋画廊」が国分寺に引っ越していた事を最近になって知り、いつか行ってみたいと思っていたのですが、今回ようやく実現したわけです。

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「兒嶋画廊」といえば、言わずと知れた洋画家・児嶋善三郎の作品を沢山所蔵する画廊ですが、嘗ては善三郎のアトリエのあった場所に、孫の俊郎氏が「丘の上 APT」という素敵なギャラリーを建て、そこで地域の人々に上質な芸術を提供しているのです。

善三郎の大ファンの僕としては、このギャラリーを訪れるのが念願だったので、探し当てて辿り着いたときは本当に感激しました。しかし、中に入ってみると他の企画をやっていて、期待に反して善三郎の作品は殆ど展示されていませんでした。

「ここまで来たのになぁ・・・」という残念な思いを拭いきれず、画廊主に対し、善三郎の絵が大好きなこと、静岡から訪ねて来たこと、わが家の三男の名前が善三郎であることなどを、汗をかきながらとりとめもなく話していると、傍らにいた青年に向って「折角遠くから来ていただいたのだから母屋に案内してさし上げなさい」と言ってくれたのです。そして、地続きにある自宅の居間に連れて行ってくれたではありませんか!
そこには善三郎の風景画が数点無造作に掛けられており、使っていた絵筆や蒐集した小物等も置かれていました。画廊主の奥様の説明を聞きつつ、感激も一入でした。

この体験により、巨匠・児嶋善三郎の作品がとても近しい存在に思えたことは言うまでもありません。
明日は、そのとき注文した画集が届きます。楽しみです。

        薔薇

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2017年2月24日 (金)

マティスの絵

「マティス」と聞けばどこまでも!・・・という訳ではないのですが、文句無く大好きな画家なので、昨日はそのマティスの絵を見に新橋まで行ってきました。

先月の半ばから、「パナソニック汐留ミュージアム」で開催されている『マティスとルオー展 手紙が明かす二人の秘密』を見に行ってきたのです。

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マティスとルオー・・・画風の全く異なる二人なので、僕もこの二人が友人であったということは知っていても、生涯にわたってこれほど深く友情を育んだ仲であったとは思いませんでした。
同時代に生まれ、共にパリの国立美術学校でギュスターヴ・モローから教えを受け、それぞれの個性と才能を伸ばし、20世紀絵画の巨匠へと歩んで行った、その二人が半世紀にわたり交わした”手紙”をテーマに、今回の展覧会は構成されています。

何といっても今回の展覧会で嬉しかった事は、マティスの初期の作品が多く飾られていたことです。
例えば『スヒーダムの瓶のある静物』や『モデル』などは、後に”色彩の魔術師”と呼ばれるマティスらしからぬ暗い色調の絵で、才能が開花する前の修行時代のマティスを覗き見たような気になりました。

平面的に再構成したモチーフを大胆な色彩で装飾的に描く、というマティス独特の画法は『肘掛け椅子の裸婦』や『窓辺の女』などで表れるようになり、1920年代以降に生れたものだということも分かりました。

僕が最も魅かれたのは、『読書する女性』という小品でした。
テーブルに置いた本を、しどけない姿勢で読んでいる女の背後の壁に架かっている赤いタペストリーと、テーブルのブルーの模様との組み合わせが美しく、印象的で心に残る作品でした。

会期は来月の26日までなので、もう一度行けたらいいな・・・と思っています。

       アネモネ

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2017年2月21日 (火)

美和桜と夢二展

友人のT君にすすめられたので、静岡市郊外に河津桜を見に行ってきました。

今日の天気は昨日とはうって変わって風も穏やかで、安倍川沿いの土手上を歩いていても寒くもなく、散歩にはもってこいの陽気でした。

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今から10年前、静岡市が政令指定都市になったのを記念して、安倍川の右岸の堤防沿い約700メートルの間に107本の河津桜を植樹しました。それが今では大きく育って「美和桜」と呼ばれるまでに成長し、市の桜の名所となったわけです。

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ここのところ乃里子さんも制作に没頭していたので、久しぶりの外出に晴々とした様子でした。

帰りには、18日から「静岡市美術館」で始まった『夢二と京都の日本画展』を見てきました。
昨年の12月に高崎まで出かけた際、伊香保にある「竹久夢二伊香保記念館」で『榛名山賦』や『青山河』などの夢二の代表作を見てきたので、それに比べると今回の展示には少し物足りなさも感じましたが、『初春』や『合鏡』や『木に寄る女』など、伏し目・逆S字姿勢・痩躯の”夢二式美人画”が数点並んでいたので、そこそこ満足できました。

夢二の作品を見るとき、「この人が現代に生きていたら、一流のデザイナーとして、またアートプロデューサーとして大活躍しただろうなぁ、、、」といつも思うのです。今回の企画のように、京都画壇の画家たちと対比してみると、その思いがさらに際立ってくるのです。
夢二の絵は技術も拙く、当時の画壇では全く評価されず軽く見られていたわけですが、翻って現代での評価はどうでしょう?
竹内栖鳳や小野竹喬の名は知らずとも、”大正”という時代を象徴する画家として竹久夢二の名を知らない人はいないでしょう!全く逆転していますね。それが何故かという答えを上手く出せないけれど、少なくとも人の心を捉えるのは技術ではない,と言うことくらいはわかりますね。

美和桜の余韻が残っていたのか、「夢二の描く花といえば、まず”椿”が思い浮かぶけれど、さてさて”桜”の絵はあったかな?」などと考えつつ、会場を後にしたのでした。

        椿花

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2017年2月18日 (土)

オリジナル絵皿 冬

絵皿シリーズ第三弾”冬バージョン”ができあがりました。

今日到着すると連絡があったので、今か今かと首を長くして待っていましたら、夕方になってやっと届きました。
渡した原画よりも緑の色目が少し明るく出ましたが、料理を盛るとこのほうが映えるかな、と思いました。

今回の絵柄は「南天」と「椿」です。

        南天

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         椿
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明日からお店に並べますので、どうぞ遊びにお出でください。

サイズは今までと同じ、直径19.6cmです。

価格は一枚1,
800円です。

郵送ご希望の方は、下記に電話かメールでお願いします。
ご注文いただく場合は、郵便番号・住所・お名前・電話番号の他、2種のうちのどの柄かご指定下さい。

電話番号:054-346-6444(ぎゃらりぃ金木犀)

メールアドレス:maruhana-srz@moon.tnc.ne.jp

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