2021年6月15日 (火)

梅の実

僕が高校生の時分ですから随分古い話ですが...その頃人気のあった荒木一郎という歌手が「梅の実」という曲を出しました。1966年(昭和41年)のことです。

この年には、「バラが咲いた」のマイク真木、「今日の日はさようなら」の森山良子、「星に祈りを」や「若者たち」を歌ったザ・ブロードサイド・フォー等々、アマチュア色の濃いシンガーソングライターが続々登場し、当時の若者に大いに受け入れられました。和製フォークブームの幕開けのような年でしたね。

荒木一郎もこの年「空に星があるように」という大ヒット曲を出しましたが、僕は冒頭の「梅の実」という地味な曲が好きで、下手なギターを弾きながら友人たちと歌っていたものです。

さて、先日の事...ギターを手に遊んでいるとき、ふと思い出してその「梅の実」を口ずさんでいると、相方が「懐かしいね...こんな良い詩だったんだね...歌詞をちゃんと教えてちょうだい」というのです。

そして数日後、出来上がったのがこの作品です。
自然食販売のMさんからいただいた小梅を笊に入れた絵を描き、「梅の実」の歌詞を添えました。時々こうして楽しそうに遊んでいます。

          「梅の実」の歌(51×39)
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2021年6月12日 (土)

FOUJITA(2021美術館の旅 その9)

箱根には沢山の美術館があります。
だから、ここまで来たら美術館に寄らないわけにはいかない...ということで、湿生花園を後に、今回訪れたのは「ポーラ美術館」です。

僕は、この森の中に建つ美術館の佇まいがとても気に入っています。
予定外だったので下調べもせず訪ねたのですが、開催中の企画展は『フジター色彩への旅』と題して、画家藤田嗣治の生涯にわたる旅と色彩の変遷に焦点をあて、その画業をたどるという内容でした。

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フジタといえば、1913年に渡仏した後、ピカソやモディリアーニらエコールド・パリの画家たちと交流し、日本人の画家としてパリ画壇で大成功した人物として広く知られています。しかし僕の中では、彼が晩年に多く描いた”表情のない奇妙な子供たちの絵”のイメージが強く、あまり興味のある画家ではありませんでした。

会場に入ってみると、「パリとの出会い」・「中南米の旅」・「アジア旅行記」・「心の旅ゆき」、とフジタの作品をほぼ10年ごとの軌跡に分けて展示してありましたが...まず最初の部屋で圧倒されました。

フジタといえば「乳白色の絵肌」ですが、これで描かれた1920年代の裸体画作品の数々は、どの絵の前でも感動感動の連続でした!
シッカロールを混ぜて作ったという絵具を下地に使い、そこに面相筆で繊細に描かれた墨の輪郭線の裸体像は、当時のパリの人々を驚かせたに違いありません。しかもこのマチエールのヒントは、春信や歌麿らの浮世絵から得たものだそうですから、当時浮世絵が流行っていた西洋では、容易に受け入れられ話題となったことは頷けます。

きっとモディリアーニの影響を受けて描いたのであろうと思われる『花を持つ少女』、”乳白色の肌”によって描かれた最初期の作品『坐る女』、『長い髪のユキ』や『横たわる裸婦』などの代表作、どれもほぼ白と黒のモノトーンで描かれた絵ですが、エキゾチックで洗練された白色の美しさが際立った作品ばかりでした。

色彩を多用するようになる30年代以降の作品にはあまり魅かれませんでしたが...とにかく「白ってこんなに深いんだ!」...と気付かせてくれた有意義な展覧会でした。

          白蓮(58×32)
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2021年6月10日 (木)

箱根湿生花園

箱根へ行ってきました。

箱根には何度も足を運んでいるのですが、仙石原にある「湿生花園」は訪れたことがありませんでした。友人から薦められていたこともあり、ずっと行きたいと思っていたので、ようやく願いが叶いました。

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今回目当てにしていた睡蓮はわずかしか咲いておらず、ちょっと残念な思いもしましたが、深い緑の中の道を歩いていると、サンショウバラやニッコウキスゲ、ノハナショウブやクジャクシダ、そして珍しいヒマラヤの青いケシなどを見つけることができ、それらを楽しみながら園内をゆっくり散歩してきました。

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ミズバショウくらいは見られるかな...と僕はひそかに期待していたのですが、受付で貰ったパンフレットには「ミズバショウは春に開花する」と書いてありました。

思い込みはいけませんねぇ...「夏の思い出」というあまりにも有名な唱歌のせいです...🎵 夏がく~ると思い出す・・・ミズバショウの花が咲いている 夢見て咲いている水のほとり🎵 と確かに歌詞にあるもんなぁ...自分の無知を棚に上げ、少々恨みがましく思ったりしました。
しかし、その落胆を補って余りあるほど企画展示の「紫陽花展」が素晴らしく、見たこともない珍しい紫陽花の花が数十種類並べられていました。

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初めて出会った花々に感激しながら、乃里子さんはとても嬉しそうでした。

          紫陽花
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2021年6月 7日 (月)

ブルーインク・ストーリー

僕の読んでいる静岡新聞には、日曜朝刊に3ページに渡る書評欄があります。

気持ちがそそられる本にめったに出会うことはないのですが、昨日は珍しく読みたいと思う本が2冊もあり、すぐさまネットで注文したら、本日もう届きました。便利な世の中です。

その一冊『ブルーインク・ストーリー』(新潮社)を今日から読み始めていますが、この本の著者は安西カオリさん...あのイラストレーター安西水丸の娘さんです。

僕が安西水丸の大ファンで、京都での展覧会に足を運んだり、絶版になっている本を古書店で手に入れたりしたことは、このブログでも何度か書いてきました。だから数年前の突然の訃報はとても辛くて、もう新しい作品は見られないのかと残念な思いでいたのです。ところが娘さんの登場で、また楽しみが繋がりました。

このエッセイは、カオリさんがお父さんとの思い出を書いているのですが、それだけではなく、ブルーインクの線で描いた安西水丸のイラストが沢山掲載されているのです。
大好きだった珈琲やカレーや音楽の事、蒐集していたスノードームやスリップウェアやブルーウィローの事、、、娘の目から見た父親の描写を「そうだそうだ!」と一々頷きながら、昔読んだ水丸エッセイをなぞるような気持ちで読み進めています。

          青花宿禽図大壷
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2021年6月 5日 (土)

ライラック

お世話になっている表具屋さんは、とにかく色々な花を育てています。

訪ねて行けば、季節毎に咲くそれらの花々を必ず分けてくださいますが、今年4月にいただいたのは「ライラック」でした。
長い付き合いの中で、椿や河津桜を始めとして様々な珍しい花をいただいてきましたが、今回のライラックは初めてだったので、こんな花まであったのか!と驚いた次第です。

ライラック(フランス語ではリラ)といえば北海道の花...”リラ冷え”という言葉もあるし、冷涼な地域にしか咲かない花だとばかり思っていたのですが...僕の浅慮でした。
紫の小さな花を穂のように沢山つけた可愛い花なので、乃里子さんはイメージが膨らんだのか、持ち帰ってすぐに薔薇と一緒に花瓶に活けて描き始めました。

何しろ香水の原料となるほど匂いが良い花なので、描いている最中はとても嬉しそうでした。

          薔薇とライラック(69×55)
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2021年6月 2日 (水)

夏椿

昨日、花壇に水をまいた後に「山紫陽花」を見ると、萼の先がまるで化粧をしたようにピンク色に染まっていました。あまりに可愛いので、夕暮れ時にもかかわらずシャッターを押しました。

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そして、今日の散歩コースの途中で見つけた花がこれです。

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この花の名は「夏椿」...その名のとおり夏になると椿に似た白い五弁の花を咲かせますが、椿と違って花びらの先がフリルのようになるのが特徴です。
「夏椿 こらえかねたる 白さかな」なんて句があるくらいに白さが際立つ花ではあるし、一日花なので儚さも加わって一層心魅かれます。

夏椿を描いた作品は無いので、今日ご覧いただく絵は「利休梅」です。
花言葉は「気品」...同じ白い花ですが,こちらは春に咲く花です。

          利休梅(43×30)
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2021年5月30日 (日)

6月開廊日のお知らせ

6月の開廊日は以下のようになりますので、よろしくお願いします。

          《6月の開廊日》

     4日(金)・ 5日(土)・ 6日(日)

    11日(金)・12日(土)・13日(日)

    18日(金)・19日(土)・20日(日)

    25日(金)・26日(土)・27日(日)

鉢植えのノイバラがまた花をつけたので、先日ビュフェ美術館のアートショップで見つけたビニール製の花瓶に挿して飾りました。

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こんな便利グッズがあることを僕は今まで知らなかったのですが、使ってみると中々の優れものです!
普段はぺちゃんこだから、カバンの隅に突っ込んでどこにでも持ちはこべますし、取り出して水を注ぐと...あら不思議!ビニールに描かれた花瓶の形に膨らんで、花を挿せばどこにでも置いて飾れます。

しかし、誰が考えたんだろう?ちょっとしたアイデアですが、この思いつきに脱帽します。
勿論ビニール製ですから、お値段はとてもリーズナブルです。
ピクニックに出かけたときに、野の花を摘んで一輪...なんてどうでしょう...オムスビが断然美味しくなりますよ。

          ノイバラ(43×30)
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2021年5月28日 (金)

梅雨のあとさき

    ー なかなかに 足もと冷ゆる 梅雨かな ー(飯田蛇笏)

昨日は一日中雨...寒くて長袖を重ね着して過ごしました。特にギャラリーは土間なので、この蛇笏の句そのままに足元が冷えて閉口しました。

こうした梅雨の時期、生活の中でつい口ずさんでしまう歌には、「あめあめふれふれ かあさんが・・・」とか、「雨ふりお月さん雲の蔭・・・」とか、「雨がふります雨がふる ・・・」とか、なかなか情緒のある良い歌がありますね。でも、こうした可愛らしい童謡と違い、僕の定番の鼻歌は『つゆのあとさき』という さだまさしさん の曲です。

  🎵 めぐり逢う時は花びらの中 
    ほかの誰よりもきれいだったよ
    別れ行く時も花びらの中 
    君は最後までやさしかった
    梅雨のあとさきのトパーズ色の風は
    遠ざかる君のあとをかけぬける 🎵

この歌詞はサビの部分...もう40年以上前の歌ですが、この純文学のような詞が美しい旋律に乗って、僕の頭の中で鳴り響きます!

と言うことで...今日も”トパーズ色の風”に吹かれ、鼻歌を歌いながら散歩し、花屋では水色の紫陽花を一鉢購い、無人販売に出ていた枇杷を2パック買い込んで帰りました。
このところ読んでいるのはコロナ関連の本ばかり...だから気持ちがパサパサです。こんな時こそ さだまさしさん の曲でも聴いて、心を潤わせることにいたしましょう。

          紫陽花と枇杷(40×58)
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2021年5月26日 (水)

2021美術館の旅 その8

確か長男が中学生の頃ですから、今から30年ほど前のことです...埼玉県の東松山市にある「原爆の図 丸木美術館」へ行きました。
子供たちの夏休みの課題であった社会科見学も兼ねて、家族旅行の途中で立ち寄った記憶があります。

「丸木美術館」といえば、丸木位里・俊夫妻の14部の《原爆の図》が常設展示されている美術館として知られていますが、同時に位里の母親の丸木スマの絵も展示されています。乃里子さんが初めてスマの絵に出会ったのが、30年前のその旅でのことでした。
戦争画である《原爆の図》の強烈な印象もさることながら、それと対極にあるスマの無邪気で天真爛漫な絵の方が、強く記憶に残っていたようで、その後も、折に触れては画集を眺めたり模写をして遊んだりしていました。

その丸木スマの展覧会『わしゃ、今が花よ 丸木スマ展』が、先月から長泉町のクレマチスの丘にある「ベルナール・ビュフェ美術館」で開催されており、昨日行ってきました。

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スマが絵を描き始めたのは70歳を過ぎてからで、息子の嫁の俊から手ほどきを受けながら81歳で亡くなるまでの間に700点の作品を残しています。
そのおもな作品が今回展示されているわけですが、全編ユーモラスで無邪気で心豊かで...気付いてみれば周りのお客さんもみんな笑顔で鑑賞していました。
自由で何ものにもとらわれない色彩と構図、まさに「うまい・へた」の物差でははかれない素朴絵そのものです。背景の色の塗り分けなど自由奔放で、マティスもビックリでしょう!

「もう死んでもよいと思っていた頃の顔と、もう少し生きて、好きな絵を一枚でもたくさん描こうと思ってからの顔は、自分でもわかるほど変わって、いきいきとしてきたのではないかと思います」

これは、年老いてから”絵を描く”という生きがいを見つけたスマの言葉です。
僕たち世代はお手本にしなければなりません。心から「わしゃ、今が花よ」と言ってみたいものですね。

この展覧会は9月28日までです。

さて、今日のこの絵は、30年前の旅の後に丸木スマの塔の絵を模写したものです。

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2021年5月23日 (日)

花の話し (2021美術館の旅その7)

一昨日は孫娘をつれて、静岡市美術館の『英国王室が愛した花々』というボタニカルアート展を観てきました。

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キューガーデン「英国王立植物園」のボタニカルアートを展示していると言うことで、当初から話題にはなりましたが、僕は”写真誕生以前の記録のための植物画”という認識で、あまり興味は無かったのです。ただ、小3になる我が孫娘は絵を描くのが大好きな子なので、ボタニカルアートの精緻な描写を見せて、観察する目の大事さを教えようとたくらんで連れて行ったわけです。

僕は...これは江戸時代に流行した貝原益軒や平賀源内の「本草学」と同じようなものだな...などと考えながら足早に回っていたのですが、彼女は一つ一つとても熱心に鑑賞しており、帰りにミュージアムショップで買い与えた図録も予想以上に喜んでくれたので、連れて来た甲斐があったと思ったものでした。花が好きな優しい娘に育ってくれているようで、安心した次第です。

さて、梅雨の晴れ間のわが家の花壇には、ノイバラ、ドクダミ、富士紫陽花、山紫陽花、柏葉紫陽花などの白い花々が控えめに咲いています。

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家裏に咲いた梅花空木は、花瓶に挿してギャラリーに飾ってみると、清々しい気持ちになります。

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今日はいいことがありそうな予感がするぞ、、、と思っていたら、遠く藤沢市からバイクを飛ばしてN夫妻が訪ねてくださいました。この素敵なご夫妻とは数年ぶりの再会です!話が弾んだことは言うまでもありません。

コロナ騒ぎが嘘のような、楽しく爽やかな一日でした。

          白鉄線(55×25)
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