2015年4月22日 (水)

写真力

最近心を入れかえて早起きをしています。
すると、(当たり前のことだけれど)午前中の時間がたっぷりあって、何だか得した気分になります。

ということで・・・今日は、県立美術館でやっている『篠山紀信展 写真力』を見に行こうと、友人と二人で朝から出かけました。
駐車場から美術館までのプロムナードは木々の若葉に囲まれ、散歩する人達の姿を緑色に染めていました。

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先日、M夫妻がみえたとき、「『篠山紀信展』見てきました。とても迫力がありましたよ!」と言っていたので、期待しながら会場に入ると、将に言葉通りの迫力でした。
「GOD」と題された第1室は、三島由紀夫や美空ひばり、夏目雅子や渥美清など鬼籍に入った有名人を撮った、今まで誰もがどこかで目にしたことがある篠山紀信の代表作が、唖然とするほどの大画面で展示されています。

「STAR」の部屋の、吉永早百合の横顔のなんと美しいことか!
「SPECTACLE」の部屋の、坂東玉三郎のなんと妖艶なことか!
「BODY」の部屋の、宮沢りえのなんと初々しいことか!

有名人のポートレイトを撮り続けた50年間の膨大な作品の中から、”写真力=時空や虚実を超えて脳裏に強くインプットするイメージ力”のあるものを選んだと言う今回の展覧会は、確かにポートレイトの第一人者の面目躍如といえるものでした。

ただ・・・最後の部屋「ACCIDENTS」では、東日本大震災の被災者の肖像写真をテーマにしたものでしたが、正直にいえば、僕はこの写真家の本質とかけ離れたこの部屋の作品に、とても違和感を感じました。
ただし、「写真家として今回の出来事を”無かったこと”にすることは出来なかった」という作者の矜持には共感できますし、撮らずにはいられなかった写真家としての本質は理解できるものでした。

美術館を出ると、駐車場の向うには霞んだ富士山の姿が望めました。「もっと高い所から眺めたいな・・・」と思ったので、帰りは有度山を回り緑の茶畑の中を走りました。

       茶畑

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2015年4月18日 (土)

始まりました

『春の新作展』が始まりました。

昨日の初日は多くの方にお出でいただきましたが、その中の一人の女性が「あら珍しい、今回は薔薇の絵が1点もありませんねぇ!」とおっしゃいました。
言われてみれば、本当に薔薇の絵がありません!ギャラリーを開いて6年目になりますが、今までの展示の中で薔薇の作品が無かった事は一度もないので、「へ~っ、本当だ!」と自分でも驚きました。

ただ、今回は”春の花”特集ということなので、作家も年明けから頑張って、椿・桜・山吹・アネモネなどを次々に描いてきたのです。そして、できあがった作品を飾ってみると壁が全部埋まり、薔薇の入る隙間が無かった、ということになった次第です。

午後になり、ちょうどお客さまが途切れた時間に、静岡新聞の女性記者Sさんが来てくださいました。
中々絵画好きの方のようで、熱心に見たり聞いたり取材されて帰られましたが、その記事が今日の朝刊に掲載されました。

新聞の影響もあり、本日は朝から忙しい一日でしたが、閉店後、Nさんからいただいた山吹の花をながめていると、心がホッと癒されました。

ほろほろと 山吹散るか 滝の音  (芭蕉)

        櫻と山吹

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2015年4月14日 (火)

春の新作展

ぽかぽかと春らしい気候に・・・とは中々なりませんね。
”寒の戻り”といえども、戻りすぎです!毎日さむい!
ちょうど1週間前は、所用で埼玉県にいたのですが、なんと積もるほどの雪に降られ、これぞ”なごり雪”?という状態でした。
清水も連日冷たい雨が降っており、桜はすっかり散りました。

先月から続いた諸々の用事も一段落したところで、今日はひねもす炬燵にもぐり、雨音を聴きながら読書の時間にあてました。こんなにゆっくりしたのは、本当にひさ~しぶりのことです。
天気予報によると、この寒さも明日までということなので、「ほんとかな?」と眉に唾をつけながらも少しウキウキしています。

さて、気持ちも前向きになってきたところで、『
の新作展』を企画し、今週の金曜日から皆さんに明るい春の花々の新作を見ていただくことにしました。
作家も意欲的に取りくんだ新感覚の作品をご覧いただけますので、是非楽しみにおいで下さい。

          さくら

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2015年4月 3日 (金)

念ずれば・・・

今日の清水は朝から雨が降り続いています。

花曇だった昨日は、M夫妻のお誘いで、山あいの施設で行われた「桜祭り」に参加させていただきました。
中河内川沿いに咲く満開の桜の花を愛でながら、窯焼きのピザや堀りたての筍をご馳走になり、心もお腹も一杯になった満足の一日でした。

行き帰りの道中、車中から眺める山里の景色は、この季節ならではのえも言われぬ空気に包まれ、美しく彩られていました。
櫻、山吹、木蓮、連翹(れんぎょう)、辛夷(こぶし)・・・そして、この見事な「雪柳」も、民家の庭に咲いていたものですが、あまりに立派だったのでカメラにおさめてきました。なんだか今にも動きだしそうでしょう?

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帰宅してからも、「山吹の枝を持って帰ればよかったなぁ・・・」とずっと心残りだったのですが・・・すると今朝のこと、「山吹どうですか?」とTさんが黄色い花を付けた枝を抱えて遊びに来てくれました。
やった!”念ずれば通ず”とはよく言ったものですね!

        山吹

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2015年4月 1日 (水)

卯月です

今日の清水のお天気は、青空がのぞいていたかと思えばパラパラと雨が落ちてきたり、強い風が吹いたり、と少々荒れ気味です。
大沢川の桜はまだ満開ではないので、花散らしの雨や風とはならないでしょうが、やはり心配になったので見に行ってきました。

こんな様子でした・・・八部咲き、というところでしょうか・・・

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そういえば、昨日「静岡浅間神社」にお参りしてきたのですが、中の桜も八部咲きでした。
3日・4日・5日と「静岡祭り」が開催されるので、その頃満開になりそうです。神官も巫女さんたちも忙しそうに準備に追われていましたよ。

さて、当ギャラリーも、卯月3日からの開廊に備え、新作を数点ご覧いただこうと展示いたしました。こんな様子です・・・

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花見のついでにでもお立ち寄り下さい。

今日の絵は、わが家の「玉ノ浦椿」を描いたものです。

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2015年3月29日 (日)

4月開廊日のお知らせ

大沢川の桜も大分開いてきましたよ。もうすぐ見頃です!
この季節の散歩は本当に楽しいですね。今日見つけたのは、枇杷の木の若葉です。瑞々しくて、生命力を感じます。

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こんな花も見つけましたが・・・僕には名前が分かりません。花びらの先の緑の模様がとても愛らしいです。

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さて、4月の開廊は以下のようになります。
春の花々の作品を中心に展示いたしますので、どうぞ遊びにおいで下さい。

〈4月の開廊日〉


 3日(金)・ 4日(土)・ 5日(日)

10日(金)・11日(土)・12日(日)はお休み

17日(金)・18日(土)・19日(日) 

24日(金)・25日(土)・26日(日)

       檸檬

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2015年3月26日 (木)

心を・・・

このところテレビの報道を見ていると、毎日”桜の開花状況”を大騒ぎしながら流しています。
面白い国民だな~、と思いながら見ていましたが、なんだか僕も気になってきたので大沢川まで行ってきました。
今はまだこんな具合ですから、暖かくなると予想される土・日曜日くらいに、一気に咲くかもしれませんね。

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さてさて、「忙(いそがしい)」という文字は「心を亡くす」と書きますが、僕にとって三月はまさに文字通りの忙しさで、公私にわたる様々な用事に追われる日々でした。
そして、本日ようやく自由な時間が出来たので、掃除を済ませた後、前々から行きたかった「芹沢銈介美術館」の企画展『柳宗悦と芹沢銈介』を見てきました。

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地元にこの美術館があることは、静岡市民としての僕の自慢で、遠来の客がある時などは必ずお連れし、喜ばれています。
従って、新しい企画になると必ず足を運ぶようにしていますが、今回は特に見逃せないのです。というのも、”芹沢銈介生誕120年記念展”ということで、柳宗悦との関係をテーマに選び、駒場の「日本民藝館」から多くの作品を借り受けての展示ですから、美術館としてもとても力の入っている企画なのです。

柳宗悦とは、言わずと知れた「民藝」の生みの親であり、思想家・宗教哲学者としても高名ですが、芹沢が生涯で唯一「師」と仰いだ人物でもあるのです。
天才的審美眼を持ち、多くの芸術家を育てましたが、特に芹沢は柳に出会ってから作品が変わり、才能を開花させたように思います。


会場に入ると、まず『文エガケ 文ナキマデニ』と書かれた柳の書作品がかけられています。
これは・・・「描きぬくとは多くを描くことではなく、最も少なきに多くを含めることであろう。なくてならぬものに切りつめてこそ味わいが溢れ出よう。それは文
(あや)あって文なき境地なのである」・・・ということなのです。

そしてこの境地は、芹沢の”省く技術”と独創的な”デザイン力”によって生み出された作品に如実に現れているのです。驚嘆します。

この企画によって、今までよりも芹沢作品に一歩近づけたような気がしました。久しぶりに心を取り戻すことができた有意義な日でした。

       白椿一輪

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2015年3月17日 (火)

ゼノフォービア?

東京に住む友人のブログを読んでいると、ここのところ丸谷才一の本について書いているので、僕も懐かしくなって、本棚から埃をかぶった彼の小説や随筆を取り出して、久しぶりにパラパラと捲ってみました。

丸谷才一といえば”寡作の長編小説家”として認識されていますが、書いた小説の数は少なくても、エッセイや対談本の方はとてもたくさん残しています。
とにかく、その知識は幅広く教養豊かで、文章の巧さは当代一(と僕は思っています)ですから、いったんページを開けば止められなくなります。

今日も、煎餅をかじりながら『青い雨傘』というエッセイを読んでいると、「ゼノフォービア」と題された一文があり、ヘ~ッ!と驚きながら読み進みました。
因みに、「ゼノフォービア」とは「外国人嫌悪」という意味なのですが、ここで作者が論じているのはそんな大げさなことではなく、”隣の県の悪口”程度の可愛いものなのです。

・・・で、僕が特にびっくりした箇所はどんなところかと言えば・・・
「全都道府県の中で衣料費の支出が最も多いのはどこか?」、すなわち、最も身だしなみに気を使いお金をかけているのはどこの人か、ということを論じているくだりです。
この答えが思ってもみなかった(失礼!)県だったので、作家と同じく僕も驚いたというしだいです。

皆さんいったいどこだと思います?
「京の着だおれ」、なんていうから京都?・・・全然違います。
それじゃぁ、やはり東京?・・・残念、東京は3位です。
答えは福島県です!どうです、驚いたでしょ?
しかも全支出に対する食費の割合は最下位、ということですから、「食事を節約してでも良い服を着たい!」という人が多いということなのでしょうねぇ・・・その理由を江戸時代の水戸藩の事情まで遡り考察しているのがとても面白いのですが、長くなるのでここには書きません。あしからず!興味の沸いた方は、どうぞ本屋さんまで!

まぁ、ことほどさように丸谷才一の書いた本はどれを読んでも、その教養の深さと巧みな筆とで、僕を様々な世界へ連れて行ってくれました。
5年、10年、と間を空けて作者は長編小説を発表し、待ちかねていた読者は悦びをもってページを開く・・・ずっとそんな感じでしたが、『持ち重りする薔薇の花』を最後に、いつまで待っても新作を読むことはできなくなりました。

       薔薇

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2015年3月16日 (月)

春ですね!

同じ清水区に住むSさんのお宅には広い庭があり、そこで沢山の花々を育てておられます。そのSさんが昨日久しぶりにお見えになったので、季節の花のことなど、ゆっくりと四方山話を楽しみました。

すると今朝のこと・・・蕗の薹、土佐水木、喇叭水仙、クリスマスローズなど、瑞々しい花々を早速届けてくださいましたので、とても感激してすぐにギャラリーに飾ってみました。どうぞご覧下さい。

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きれいですね・・・本当に気持ちが和みます。

さて、春といえば卒業式や入学式のシーズンですから、今日はこの絵を載せましょう!

      乙女図

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2015年3月10日 (火)

石田徹也展

山田太一さんは、昔から僕の大好きな脚本家です。
放映されたドラマは大体見ていますが、今までがっかりしたことはほぼありません。もう80歳だそうですが、ストーリーテラーとしての力はまだまだ健在で、昨年末にもNHKで『ナイフの行方』というドラマが放映されました。


ドラマの出来もとても良かったのですが、そのタイトルバックに用いられた石田徹也の絵(「飛べなくなった人」)が印象深く、ずっと心に残っていたところ、タイミングよく静岡県立美術館で『石田徹也展ノート、夢のしるし』が開催されたのです。

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しかし中々まとまった時間が取れず行きそびれており、3月に入ってようやく足を運ぶことが出来たのです。決して、僕の好きな部類の絵ではないのですが、敢て言えば”見に行かざるを得ない絵”として心を動かされたのです。

想像したとおり、印象はとても強烈でした。
現代人の心の痛み、苦しみ、不安、孤独・・・それらを自分の中で昇華(あるいは消化)させるために描いた絵のように感じました。
丸刈りの男性がどの絵にも登場し、その表情はどれも少し悲しそうで不安そうで・・・
同じ表情のその男が、虫であったり、SLであったり、便器であったり、あるいは炬燵や校舎から顔が出ていたりと、モチーフとしてはユーモア的ギャグ的なのですが、見ていると、笑えるどころか悲しみや不安が襲ってきます。脈絡もなく、僕はバスター・キートンの映画を思い出しました。

石田徹也の絵画に対面したとき、見る側にその絵の意味と空間を読み解くことが求められます。
そういえば、キュレータの高橋瑞木さんが、現代アートについて、その著書『全てのドアは、入り口である』で次のように述べていました。

・・・現代アートは、見る人への問いかけを含んでいる。多くの現代アート作品は、あなたに「美しさ」や「価値」「この作品の存在する意味」を一緒に考えてほしい、というメッセージが形になったものと考えることが出来る。
現代アートは、作品を見て考えたり、語る人がいないと完成しない、あなたの関与を最も必要としている芸術ジャンルである・・・

石田徹也の絵画は、将にこの定義に当てはまるアートです。110点それぞれの作品から、疲れるほどの対話を強いられました。

そして、数日後の日曜日には、丸ノ内の「出光美術館」に行き『小杉放庵 東洋への愛』を見てきました。
僕はやはりこっちの方が心が安らぐなぁ・・・(絵画の価値をどこに置くかは人それぞれ)・・・と思ったしだいです。

      一輪の椿

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